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桐の高騰

桐箪笥は伝統的工芸品として無税となつたとは言え、取り付け金具を除けば95%が国産桐材を使用していたのである。

その結果、税法上「箱物家具」の「三方桐・桐材積50%」の工業生産による多量の桐材が使用された結果、発生した桐材枯渇と価格の暴騰に対処するため、桐箪笥の生産を継続することが困難になるという危機に直面したのである。

この現象は、日本の高度成長期から安定成長期をむかえ、第二次ベビーブーム終了までで、
安価な家具が中国などから輸入され、その当時安かろう悪かろうなどの家具で消費者に迷惑をかけるなどした。

やがて国産の桐箪笥及び家具需要は飽和状態から減少時代に突入するのである。 

そして好景気のバブルがはじけ、生活様式の変化が消費構造をもけるのであつた。

リビングダイニング

住宅では畳の和室から部屋の大半が洋室に変化し、リビングダイニングとベツトルームは木製のフロアーになり、婚礼箪笥の機能はウォークインクローゼツトが生活のスタイルになつた。

女性の和装に親しむ機会も減少し、桐箪笥の需要も急激に減少したのである。
 
 

平成元年 物品税が消費税に変更され

1989年(昭和64年) 昭和時代64年が平成平成元年になり、個別商品に課税する矛盾と混乱を招いた「物品税」の徴税体系が、平成に元号の変化と共に「消費税」の徴税体系に改革されたのである。

消費税

この消費税により、流通過程の売買ごとに、3%が課税(5%、8%に変更)されたのである。

この段階から、税法上「箱物家具」の桐材を50%以上使用する原価計算も必要なくなり、桐材の価格は安定したのである。

しかしこのとき既に桐箪笥及び箱物家具(洋服たんす、衣裳たんす)のいわゆる箪笥としての需要も住宅についている「ウォークインクローゼツト」にその機能を吸収され、家具店の桐箪笥及び収納家具の陳列及び売上げ比率は激減していたのである。

 

 

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