「桐製家具」とは
自民党税調における税制改正大綱を審議している中で、
突然、箪笥の非課税範囲を「三方桐、桐材績70%以上」が「桐製家具」という見解を示した。
これはどういうことかというと、「箱物家具」の引き出しの前板・先板・側板そして底板が
全部桐材、箱のフレームの両側面の中のコアーに桐材を使用すれば、ほぼ桐材積が総体積50%を超えるので、この製品を税法上の「箱物家具」というのであつた。
これは外面から見れば、
- 紫檀
- かりん
- ケヤキ
- タモ
- 樺桜
など各種各様の表面材のつき板製だあつても、内面は70%以上の桐材を使用しているので、これを「箱物家具」として
無税にするという論理であるが、この論理運用してふたをあけてみると、予期しない矛盾が潜んでいたものがベールを脱ぐのであつた。。
税務署が 透視カメラ・レントゲン使用をして徴税の可否判定
「箱物家具」について、更に条件がついた。
それは箱物家具の工場蔵出し価格が箪笥一本につき、5万円を超える場合で、内面に桐材を「三方桐、桐材積70%」の条件に満たない場合、出荷価格の20%の物品税が課税されるというのである。
この税法通達に基ずき、高額品の生産者は5万円未満の箪笥の場合、
5万円の20%即ち10、000円の桐材を原材料に追加使用し、「三方桐、桐材積50%」の内容の製品を生産する製造業者が増えることになつた。
その「箱物家具」を60,000円で販売し、そのセールス・ポイントとして税法上桐箪笥とし、桐材を十分に使用しているので、収納する衣類のためにも桐箪笥と同様な保管機能がありますと説明したものである。
この時代になると、日本経済も高度成長時代になつていて、家具販売店としても良いものであれば価格が高くても売れるとして、婚礼家具市場から受け入れられたのである。
ところが、家具製造メーカーの一部が市場の信頼を裏切つて、内部に「三方桐/桐材積50%」に満たない製品も出回り、税務署はそれらを脱税行為として摘発したのである。
基本的には、50%以上の桐材を使用しているという生産者の原価計算書申請が疑わしい場合には、税務署としてはレントゲン透視撮影により可否判断という面倒なことになつたのである。
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